初完投の広島・大瀬良があえて選んだプロまでの“回り道”
広島の大瀬良大地(22)が、因縁の甲子園でプロ初完投。九回、ゴメスに一発を浴びて完封こそ逃したものの、2位の阪神をたたいて首位固めの3勝目(1敗)を挙げた。
いまから5年前、大瀬良は長崎日大のエースとして甲子園に出場。初戦で菊池雄星(現西武)擁する花巻東(岩手)を五回まで無失点に抑えながら敗れている。その甲子園でようやく白星をマークした。
同じ時期、県内でしのぎを削ったのがいまは同僚となった今村。今村は当時、春のセンバツで全国制覇した清峰のエースだった。このときの準優勝が菊池の花巻東だ。
高校時代は菊池にも今村にも後れを取ったとはいえ、九州共立大時代の4年間を経て、一躍ドラフトの目玉に。プロ入り後も首位広島のローテーション投手として、気を吐いている。
菊池は目下、5試合に先発して1勝4敗、防御率4.50。プロ初の2ケタ勝利を期待されながら、スタートでいきなりつまずいた。
今村も今季は開幕から絶不調。現在5試合にリリーフ登板して、防御率9.00とふるわず、今は二軍にいる。
大瀬良は高3時、プロ志望届を出さず、九州共立大に進んだ。同期のライバルの現状と比べる限り、4年間は決して長い回り道ではなかったようだ。