白鵬に完敗…稀勢の里に“モンゴル横綱3人衆”の分厚い壁
大相撲夏場所12日目
白鵬との1敗対決は完敗だった。稀勢の里は立ち合いをじらされると2回突っかけ、国技館内は微妙な空気に。3度目も稀勢の里が焦り気味にいったん腰を浮かせ、引いたところで立ち合いが成立してしまった。散々じらされた揚げ句、張り差しでダメ押しされ、あえなく寄り切られた。最後まで力を出せないまま敗れた稀勢の里。これで2敗となり、優勝争いから一歩後退だ。
もっとも、仮に白鵬を下したとしても、優勝できたかどうか。稀勢の里にはまだ、日馬富士、鶴竜との対戦が控えている。ある相撲記者が言う。
「モンゴル勢にとっては、稀勢の里が横綱になろうものならメシの食い上げ。貴乃花以来の日本人横綱誕生は、相撲協会のみならず相撲ファンの悲願ですからね。CMやイベント出演など、おいしい仕事は全て稀勢の里に取られかねない。そのため3人がかりで挑むことになる。どのみち優勝できるのは1人だけ。3横綱のうち、最低だれか1人が優勝争いに絡んでいればいい。残り2人は優勝予定の横綱に星を集めるので、全力でアシストできる」
モンゴル人横綱にとっては、同じ横綱がライバルにならないのだから楽なもの。一方、大関以下の力士はモンゴル人横綱3人を相手にしなければいけないだけに、優勝は至難の業。これでは日本人横綱は、白鵬らモンゴル勢が引退しない限り出てこないのではないか。