「7勝でエース格」の波紋 マー君に求められる“配慮”
ヤンキース・田中将大(25)が7勝目をマークした25日(日本時間26日)のホワイトソックス戦、6点リードの六回裏の守りだった。
この回先頭のフラワーズが放った平凡なライナーを、左翼手ガードナーが目測を誤ってバンザイ、後逸した(記録は二塁打)。味方野手の拙守で長打にされた田中はその瞬間、鋭い眼光でガードナーを睨み付けたのだ。
メジャー初完封を飾った14日のメッツ戦でもこんなことがあった。
完封目前の九回裏1死一塁で、次打者の当たりは投ゴロ。1-6-3の併殺でゲームセットのはずが、遊撃手ジーターが捕球後ポロリとやって封殺のみ。すると田中は天を仰ぎ、がっくりと肩を落とした。送球がやや低かった自戒を込めたにせよ、キャプテンのポカに公然と落胆した。
開幕から約2カ月が経過し、ここまで大きな故障もなく順調に白星を積み重ねてきた。野手のミスにムッとしたのも、メジャーの環境や米国での生活に慣れ、自分のリズムをつかんだからこその自然な感情の発露かもしれない。田中はしかし、いまやチームのエースだ。開幕投手のサバシアは右ひざ痛で故障者リスト入り。右のエース格だった黒田は開幕から不安定な投球が続いている。名実ともにチームの大黒柱になった田中が、野手のミスにぶんむくれていれば波紋も生じる。