続投の日ハム・栗山監督が株を上げた近藤健介のコンバート
5月上旬、日本ハムの三塁手・小谷野(33)が右ひざ靱帯(じんたい)損傷で離脱した直後のスタッフ会議でのことだ。
メーンテーマは三塁にだれを据えるか。コーチ陣がキャンプ、オープン戦で三塁に挑戦した中田(25)や他の若手の名前を挙げる中、3年目の捕手・近藤健介(20)に守らせるべきだと強硬に主張したのが栗山監督(53)だった。
近藤はオープン戦で送球イップスに。「捕手失格」の烙印(らくいん)を押されていた。「三塁に回して悪送球を繰り返したら、今度こそ守る場所がなくなってしまう」と猛反対するコーチ陣を、栗山監督は「アイツの打撃を生かすべき。責任はオレが持つから」と押し切った。
近藤は実戦で致命的な送球ミスを何度かしながら、しかし、スローイングを矯正して三塁守備を克服。現在はケガで登録を抹消されているとはいえ、三塁手として定着したのは記憶に新しい。
「栗山監督は若手を積極的に起用、内部に刺激を与え、活性化していくチーム方針を忠実に実行できる指揮官としてフロントや親会社に評価されている。二刀流の大谷もうまく使っているしね。現在、チームは主力をケガで欠きながら3位と健闘しているだけに、雑音をシャットアウトするためにも早めに続投を発表して後半戦に備えたのですよ」(日ハムOB)
契約を1年延長した栗山監督は「このチームにはやり残したことがたくさんある」と話した。