投手で球宴出場決定 日ハム大谷が報道陣を“完封”した瞬間
投球だけではなく、口でも「うるさい相手」をシャットアウトした。
監督推薦での球宴出場が決まった、日本ハムの大谷翔平(19)。昨季は外野部門ファン投票3位で選ばれたが、2年連続2度目の出場となる今季は、投手として選出された。
3日の西武戦の前に行われた会見で、「うれしい。今年は違う形で出られる。全力で投げたいですね」と話した大谷はしかし、ここから表情が硬くなった。
報道陣の質問が球速に集中したからである。
<大谷、球宴で160キロ宣言!><セ強打者相手に球界最速更新だ!><挑む、オール直球勝負!>と見出しありきのそんな記事を書きたい記者のミエミエの思惑にへきえきしたのだろう、
「いえ、特には」
「(160キロが)出るか出ないかはそのとき次第ですから」
「日によって違うんで」
と素っ気ないコメントに終始。しびれを切らした記者が、「近年のオールスターは直球勝負で変化球を投げにくい雰囲気がある。どんな投球をしたい?」と聞いたが、これにも「どっちでもいいかな、と」と、肩透かしを食らわせ、報道陣を黙らせたのである。
もちろん、大谷は球速へのこだわりがある。
「持ち味は直球」と自負もしている。それでも、160キロ、160キロと繰り返されれば、ウンザリするのも無理はない。大谷は言外に、「それしか聞くことがないんですか?」と、言いたかったに違いない。