中日・吉見が先発復帰 執刀医が明かす「復活までの13カ月」
「手術したヒジは問題ない。あとは試合勘を取り戻してくれたら」
こう語るのは、名古屋スポーツクリニックの杉本勝正院長。トミー・ジョン手術(側副靭帯再建手術)を経て、8日のヤクルト戦で昨年5月以来の先発復帰登板を果たし、5回3失点と好投した中日の吉見一起(29)の執刀医である。
吉見が右ヒジにメスを入れるのは通算4度目。杉本院長は吉見とトヨタ自動車時代から付き合いがあり、10年オフの右ヒジ遊離軟骨除去手術の際もメスを握った。
「吉見君はプロ入り前に右ヒジの靭帯を手術するなど、『古傷』と闘ってきた。10年オフの手術で2年間は持ちこたえましたが、昨年5月に限界が来てしまった。手術すれば、野球をやり始めた幼少期の頃のヒジに戻る。問題は1年間に設定したリハビリ期間。今年で30歳を迎える吉見君は、若い頃と比べて筋肉が硬くなりやすく、損傷もしやすい。そこをどう乗り越えるかが大事でした」(杉本院長)
術後4カ月でキャッチボールを再開。今年のキャンプでは約9カ月ぶりに投球練習をし、フリー打撃、シート打撃を経て、5月1日のオリックス二軍戦で術後初の実戦登板を果たした。復活へ向けて順調に階段を上っていた矢先、アクシデントに見舞われた。