伝家の宝刀「かち上げ」より怖い 大砂嵐のガチンコ闘争本能
伝家の宝刀が炸裂した。
大相撲名古屋場所4日目、平幕の大砂嵐(22)が千代鳳を突き落としで破り、2勝目(2敗)を挙げた。立ち合いで得意の右のかち上げが千代鳳の顔面を直撃。その後、左手で突き落としたものの、すでに相手は崩れ落ちる寸前だった。千代鳳は取組後も意識が朦朧としていたのか、時折首を振りながら支度部屋に引き揚げたほどだ。
3日目も負けたとはいえ、大関稀勢の里の顔にエルボーを見舞い、鼻血を噴き出させている。
エジプト出身のイスラム教徒のため、ラマダン(断食)ばかり注目されていたが、持ち前のパワーは角界一。156キロの体重で片手懸垂が出来る力士など、現在の角界では大砂嵐くらいのものだろう。それだけに立ち合いで全体重を乗せて放つエルボーは、他の力士の脅威の的になっている。
■正真正銘のガチンコ力士
だが、本当に怖いのはヒジではなくアタマの中身だ。外国人力士にしては珍しく、出稼ぎというよりは「歴史をつくる」という夢をかなえるために来日。エジプト人初の横綱を目指しており、入門当初からよからぬ誘いには耳を貸さない。正真正銘のガチンコ力士なのだ。