日ハム大谷 「161キロ」より高評価だった「投球内容」
ソフトバンクは12球団トップのチーム打率・287。パの打撃上位10傑に7人も名を連ねている。負けられないという気持ちが気負い、力みにつながった。
「これまでは少しくらい調子が悪くても、相手が抜け球を打ち損じてアウトになるたびに余裕を取り戻していた。ソフトバンク打線はその抜け球を的確にヒットにしていましたからね。先発マスクの市川はそんな大谷に直球を多く投げさせることで修正しようとしたが、うまくいかず。四回からマスクをかぶった大野がカーブを多めに要求すると、フォークも生きるようになった。ただ、3者凡退は四回だけ。先頭打者も5回出している。修正どころか、精神的な余裕もなかったはず。正直、2失点で済むとは思いませんでした。そのあたりは大谷の凄さですね」(前出の金村氏)
調子が悪いから打たれました、では二流止まり。余裕がなくとも捕手の要求に応えて最少失点でしのぐのが一流投手だ。そういった意味で、大谷は完全にひと皮むけたようだ。
試合後は「全体的に良くなかった。いい球も少なかった」とうつむいた大谷。それでも7回を2失点で切り抜けたことは161キロよりはるかに評価できる。