米国では争奪戦も…マエケンのメジャー行きに広島が難色
問題は、広島が設定するであろう20億円の移籍金を、払う球団があるかどうかだが、海の向こうではすでに争奪戦が勃発している。
8月31日付レッドソックスの地元紙「ボストン・グローブ」(電子版)は、次にメジャーに移籍する選手として有力視される前田の名前を挙げ、「早くから関心を寄せていたレッドソックス以外にもドジャース、エンゼルス、カブス、ダイヤモンドバックスなど5球団以上が入札に参加するだろう」と報じている。
ここで名前の挙がった5つはいずれも金満球団。先発に平均10億円超の年俸を払う“体力”がある。
前田はまだ26歳。長期契約を結ぶメリットがあること、移籍金が「ぜいたく税」の対象にならないことを考慮すれば、本人の年俸以外に20億円のカネを払うことは決して大きな負担にはならないと各球団はソロバンをはじいている。ナ・リーグのあるスカウトがこう言った。
「WBCでの好投(3試合2勝1敗、防御率0.60)で注目を集め、抜群の制球力は高く評価されています。それ以上に各球団のスカウトが買っているのが野球に取り組む姿勢です。今年は離脱を繰り返していますが、そもそも前田はケガに強く、多少の痛みがあっても休みたがらない。プロとしての自覚、エースとしての責任感が強いとみるスカウトは少なくありません」