怪我人、監督采配…巨人“CS敗退”に例年以上の不安材料
川相ヘッドコーチはこの日、「CSまでにやることは、まずは体調を整えること。今年は故障者もいるし、宮崎合宿をやらないから、移動の疲れもないでしょう」と話した。主力に故障者が多く、恒例のCS合宿も見送らざるを得なかった。
打率.279の坂本も万全には程遠い状態。自己ワーストタイとなる24打席連続無安打中の9月の広島戦のこと。相手のベテラン選手が驚いたことがあった。
「凡退した坂本がベンチの中でバットを叩きつけたから、ベンチはシーンと静まり返った。ちょうど近くにいたスコアラーが、かなりビックリして体をのけ反らせていた。あの坂本でも安打が出ないで焦っているんだと」
その広島とのカードでやっと安打が飛び出し、その後に二塁強襲安打で出塁すると、二塁ベース上で敵の菊池に、「捕らないでくれてマジでありがとう」と礼を言ったという。12年に最多安打のタイトルを獲得した坂本も、1本の安打を打つのに四苦八苦しているのだ。
■「猫の目打線」が命取りになる可能性も
短期決戦では采配が命取りになる。今季、原監督は139試合で107通りもの打順を組んだ。原監督の選手起用が巨人を優勝に導いたという評論がほとんどだが、「逆に猫の目打線が選手の不振を長引かせ、チームをここまで苦戦させたという見方もできる。初回に3番の坂本に送りバントをさせたり、7月の阪神戦では内野手5人の変則シフトが裏目に出て逆転負け。結果はともかく、今年の原監督は積極的というより動きすぎという印象がある。言うまでもなく、短期決戦はちょっとしたことで流れが変わるもの。相手にスキを与えないことが鉄則だが、原采配にそのスキを生むことになる不安がある」と警鐘を鳴らす巨人OBもいる。
「いい気分でクライマックス(CS)を迎えたい」と話した原監督。いい気分でいられるのは、今のうちだけかもしれない。