オリ2位・宗佑磨の母親が語る「育児と仕事と勉強の16年」
当面の生活のために派遣先の保険会社や食品会社に勤務する傍ら、「手に職をつけることが必要」と考えていたミカさんは、新聞の広告に目を留める。植物の恵みで薬に頼らない自然療法のアロマセラピーという文句に興味を持ち、資格取得を目指した。
その後、幼い息子の教育や食生活も考え、大阪市の実家に引っ越し。両親の手を借りながら愛息を育て、栄養士の資格取得のため2年間、専門学校にも通った。卒業後、実家近くの保育園に栄養士として就職。06年から本格的に、整体師、セラピストとして活躍している。
息子を育てながら、勉強と仕事に没頭した16年間をこう振り返る。
「精神的につらい時期もありましたが、それを支えてくれたのは佑磨の存在でした。『佑磨を守る』。その使命感が私を奮い立たせてくれました。大切にしたのは笑顔。どんなにつらいことがあっても笑い飛ばす。そうすることで自然と気持ちが明るく、前向きになれます」(ミカさん)
ギニア人の血を受け継いだ宗は肌の色が黒い。幼いころは、風貌を周囲にからかわれた。