賞金王でもマスターズ厳しい小田孔明がすがる“頼みの綱”
米ゴルフ事情に詳しいゴルフライターの吉川英三郎氏がこう言う。
「以前はアジアで特別招待枠が2つありましたが、1つはアマチュアのアジア王者に与えられるようになった。そして米ツアー選手の間で、自分たちは実力で出場権を勝ち取ろうとしているのに、なぜ世界的に見てもレベルの低い日本人プロを特別扱いするんだと批判の声があり、マスターズ委員会もこれからワールドランクを重視し、特別招待枠を減らしていく方向です」
しかし、マスターズ委員会は1976年以来40年近く、ばく大な放映権料を支払っているTBSの意向を無視できない。
「TBSが『小田をぜひ出場させて欲しい』と頼めば、すんなり出場が決まるでしょうが、どちらでもいいというスタンスなら、アジアの若手選手を招待するか、かえって好都合とばかりに日本人の特別招待をゼロにする可能性もあります。というのも、近年は世界的ゴルフ不況ということもあり、マスターズ委員会もこれからゴルフ人口の増加が見込める中国をはじめとするアジア全体にシフトしつつあり、日本を優遇するという方針を変えているからです。いずれにせよ、人気若手選手ならTBSも無理やり押し込むでしょうが、小田でどのくらいの数字が稼げるかで、判断も違ってくるでしょう」(前出の吉川氏)
年齢的に見ても、小田にとってマスターズ出場は最初で最後のチャンスになるかもしれない。タイからの帰国後、その足でTBSを訪れ、アタマを下げるしかない。