キューバ選手のメジャー流出加速 日本人野手には“狭き門”に
「本当に国交正常化が実現すれば、日本球界は対岸の火事では済まない」
米国事情に詳しいアメリカ野球愛好会副代表の鈴村裕輔氏がこう言った。
17日に米オバマ大統領がキューバとの国交正常化交渉に踏み出すことを表明。これを受けてMLB(大リーグ機構)は「各球団のビジネスの進め方に影響を及ぼすかどうか、情報を提供していく」とのコメントを発表した。これまでキューバの選手がメジャーでプレーするには亡命しか方法がなかったが、国交が回復すれば正々堂々と選手を獲得することができる。
当然、これは日本球界にも影響を及ぼしそうだ。グリエル(DeNA)、デスパイネ(ロッテ)が来季も日本でプレーすることが決まっているが、ロッテの山室球団社長は「デスパイネはメジャーでも評価されている。規制がなくなればメジャーの草刈り場のようになり、選手を持っていかれる可能性は高い」との見解を示した。
キューバから米国に亡命した選手はただでさえ厚遇を受けている。今年、プイグがドジャースと7年4200万ドル(約49億8000万円)、アブレイユがホワイトソックスと6年6800万ドル(約80億6000万円)の破格契約を結んだ。国交正常化して米球団が政府と直接交渉できれば、条件はこれまでよりも低く抑えられるメリットが米球団側には出てくる。キューバだってより大金を積む方に選手を派遣するのは当然だ。