屈辱敗北なのに「アギーレ続投」 自ら首絞める協会のセンス
アジア杯連覇を狙った日本代表。それが準々決勝のUAE戦でPK戦負けを喫し、ベスト4にも残れなかった。世界的名将であっても解任論が出るのが、サッカー界の常識というモノ。にもかかわらず、試合後に日本サッカー協会の大仁邦弥会長は、取り囲んだ報道陣にアギーレ監督の進退に関して「続投ですか?」と聞かれ、「そうです」と返答したから驚いた。続けて「十分やってくれている」とのコメントまで出したのだ。
おいおい、ちょっと待ってくれ! である。
日本は、ここ4大会のアジア杯で優勝3回、4強1回と好成績を収めている。準々決勝で姿を消すのは、96年の第11回大会以来の屈辱である。
ましてやアギーレ監督はスペインリーグの監督時代の11年、八百長に関与したとして当地の検察当局に告発されている。そんな灰色指揮官が、準々決勝で負けて「続投」も何もないだろう。スポーツライターの平野史氏が「大仁会長は、自分で自分のクビを絞めている」とさらに続ける。
「今後、八百長捜査が進めば、アギーレ監督の立場は今よりもはるかに悪くなる可能性がある。現時点でも日本代表のスポンサー企業は『グレーであっても、日本サッカーにとっては大きなイメージダウン。アギーレ監督にはお引き取り願いたい』と考えており、アギーレ監督の出処進退に関して、サッカー協会としては八百長疑惑の推移を見極めつつ、解任を視野に入れながら曖昧に答えておくのがベストの対応です。なのにサッカー協会トップが、自ら選択肢を狭めるような発言をしてしまった。組織の長としての資質を問われかねない発言です」