マー君は開幕戦黒星 “新球”ツーシームの制球ミスが命とりに
ジラルディ監督は会見で「タナカの球威を判断するのは、まだ早い」と語ったが、開幕戦でのエースの乱調に頭を抱えているに違いない。
■吉井理人氏は「フォーシーム増やすべき」
田中は今季、自分の投球スタイルを変えると公言している。
シュートしながら沈む速球のツーシームを投球の軸にし、バットの芯を外して内野ゴロを量産するのが狙い。できるだけ早いカウントで打者を打ち取り、球数を少しでも減らそうというのだ。昨季、故障した右肘への負担を軽減したいに違いない。
本人は「打者が早く打ち、アウトを取れることがいちばん。三振が欲しいところは狙っていくけど」と話している。ツーシームを有効に使えれば、ひとりの打者に要する球数は減る。「長い目で見ても短い目で見ても、少しでも早くイニングを終わらせるのが重要なこと」とジラルディ監督は歓迎する。
しかし、結局、田中が1試合に投げる球数は変わらない。ひとりの打者にかける球数が減ることによって、長いイニングを投げられるようになっても、試合で投げる球数自体まで減るわけではない。肘の故障を配慮して開幕直後は90球に制限されるにせよ、それ以降は通常通り100球をメドに投げるようになる。計算の立つ田中が少しでも長いイニングを投げてくれれば、首脳陣も喜々とするわけだ。