プロ野球選手に「走っただけで肉離れ」続出 の“元凶”は?
筋トレでパワーはついた分、ケガも増えているのが現在のプロ野球なのだ。90~92年にダイエー(現ソフトバンク)を率いていた田淵幸一監督は、当時のキャンプ中にこう言っていた。
「全体練習後、野手に『1時間、自分の好きな練習をしろ』と言った。すると、ほとんどが筋トレをやりたがる。バッターは打つのが一番楽しいし、大事だと思うんだけど、何でかなあ」
野球選手はボディービルダーではない。筋肉をつけたためにケガをしやすくなったとすれば本末転倒だ。
■力士に肉離れが少ない理由は?
一方、巨漢揃いの割にケガが意外と少ないのが大相撲だ。格闘技なのでアクシデントは多いにせよ、相撲を取っただけで肉離れを起こす力士はほとんどいない。
「稽古で腰割り、股割り、四股と股関節を徹底的に柔らかくしているからです。相撲はまず、あの体重を支える下半身をつくらなくてはいけませんからね。武道の稽古は総じて関節の使い方の効率がよい。大事なのはパワーではなく体の使いこなしという考え方があるからです。野球でもイチローは自分専用のトレーニングマシンで四股踏みに近い練習をしている。だから41歳という年齢でもケガが少ないのです」(前出の平山氏)
力士にも筋トレをする者がいるが、そのほとんどは稽古の補助。横綱白鵬に至っては筋トレを一切やらない。
プロ野球選手はオフシーズンだけでも相撲部屋に弟子入りしたらどうか。