震災補助金を野球部に? 夏準優勝の仙台育英に真相を直撃
深紅の優勝旗の「白河の関越え」はかなわなかったものの、一時は4点差を追いつくなど健闘した仙台育英(宮城)。「悔しい。(応援してくれる人たちの)期待に応えられなかった」とは、佐々木監督だ。
甲子園の決勝進出は01年のセンバツ以来。東北の強豪校が再び甲子園で優勝を狙えるまでに復活したのは、環境の変化が大きく影響している。
仙台育英は11年の東日本大震災で、土のグラウンドだった専用球場が被害を受けた。それが13年3月には見事な人工芝の球場に生まれ変わった。室内練習場も改修され、プロが使っているものと比べても遜色なくなった。
あるスカウトが言う。
「寒い東北地方では天然芝の球場は整備が非常に難しい。ほとんどの学校は土のグラウンドなので、雨や雪の影響を受けやすいですからね。その点、人工芝は水はけが良い。一年中グラウンドを使えるというのは、大きなメリットですよ」
気になるのが、そのカネがどこから出たか、だ。昨年、巨人が東京ドームの人工芝を張り替えた時に、かかった費用は3億円といわれた。結構なカネがかかるのだ。「仙台育英は被災地への『私立学校施設災害復旧事業』の補助金約16億の一部を野球部につぎ込んだ。遠征の宿泊費や交通費も補助金の中から賄っている」という声も中にはあった。そこで仙台育英高校の担当者に聞いた。