リオ目指すブラサカ代表・魚住監督 「日本は分析力で世界一」
視覚障がい者サッカーの「ブラインドサッカー日本代表」が、16年リオ・パラリンピック出場をかけて、9月2日に開幕する「アジア選手権」(代々木競技場。7日まで)に臨む。アジア出場枠は「2」。狭き門を突破してパラリンピック初出場はかなうのか? 日本代表の魚住稿監督(38)に聞いた。
■強豪と最初に当たってむしろ良かった
――日本代表の主力選手の特徴を教えて下さい。
「DF田中章仁(37)は守備の要です。ボールがどこにあり、相手と味方の位置はどこか、などのサーチ能力に優れ、的確なコーチングのできる中心選手です。MF黒田智成(36)は、ブラインドサッカー草創期からプレーしている日本のエースです。ルーズボールの反応に優れ、左右両足でシュートを打てます」
――14年11月、日本で開催された世界選手権の初戦パラグアイ戦で、黒田選手が鮮やかなドリブルシュートを決めました。
「スピードも黒田の大きな武器のひとつです。MFではブラジル・サンパウロ出身の佐々木ロベルト泉(37)が、ボランチとして欠かせません。フィジカルの強さと熱い心の持ち主です。FWでは川村怜(26)がスピードとテクニックに優れ、シュート力もあります。献身的な動きも彼のストロングポイントです」
――アジア選手権「2位まで」にリオ・パラリンピックの出場権が与えられます。日本は初戦で北京パラリンピック銀メダルの中国と、3日の第2戦では14年アジア・パラ競技大会で金メダル獲得のイランと対戦します。
「大会序盤に中国、イラン、そして韓国と相次いで強豪と対戦することになりましたが、この対戦順で良かったと思っています。日本は平均年齢が高く、コンディションの良い状態で強い相手と戦いたいと思っていたからです。大会後半になると疲労もたまります。最初に強敵を叩き、勢いに乗りたいと思っています」
――ライバルのチーム状況を教えて下さい。
「中国はアジア選手権3連覇中です。選手個々の能力が高く、ドリブル力のあるチームです。イランは近年、着実に力を付けてきました。選手のフィジカル能力が高く、左右をワイドに使ったパスワーク、ドリブル突破が持ち味です。国全体が障がい者スポーツに力を入れています。アジアではイランと中国、そして日本の3チームの実力が拮抗しており、どこが1位、2位になってもおかしくない。厳しい戦いになりますが、リオ・パラリンピックは十分に手の届くところにあると思っています。まずは初戦の中国戦に照準を合わせ、しっかり準備をして必ず勝利したいと思っています」