国体初戦敗退も…早実・清宮の“進化”にプロスカウト感心
「緊張はしなかった。しっかり楽しめました」
早実の清宮幸太郎(1年)がこう言った。和歌山国体の高校野球(紀三井寺)が行われた27日、京都の鳥羽に2-3で敗れてチームは初戦敗退したものの、自らは4打数2安打。特に三回に放った二塁打は、ネット裏のスカウトを感心させる内容だった。
「外角直球を左中間へ持っていった。流し打ちだが、力強い打球。引っ張りが多い今までにはあまり見られなかった打球の質で、着実に進化しているよ」(あるスカウト)
1年生ながら4番を打ったU─18野球W杯では打率.222と大不振。準優勝に終わった責任を背負いこんでいたが、西谷監督(大阪桐蔭)らにさまざまなアドバイスを受けるなど、収穫は多かった。
「ボールを前でさばけるようになって、より遠くに飛ぶようになった」と本人。三回の二塁打も「手応えはなかったけど、思ったより飛距離が出た」と話した。
注目度の高さは相変わらずで、この日は朝5時の段階で徹夜組50人を含めて580人が球場に集結。1時間後には球場周辺に約1キロのファンの列ができたため、開門は予定より30分早い6時半に前倒しされた。観衆は7300人。内野席は満員のファンで埋まった。
高校野球は来春のセンバツ出場を懸けた秋季大会の真っ最中。清宮フィーバーはまだまだ終わりそうにない。