定着するのか “生みの親”が語る「プロ野球三軍制」の実態
――でも、SBが来春オープンする筑後のボールパークのような立派な施設は大阪や東京にはおそらく造れません。総工費は50億~60億円とか報じられていました。
「昨今の建設費の高騰で、結局その1.5倍くらいかかったようですが、筑後の土地は無償です。ホークスのファームを誘致したい自治体を公募入札した結果です」
――三軍に話を戻せば、ここからけっこう一軍選手が出ていますね。
「千賀(滉大)、飯田(優也)に、今季44試合に登板した二保(旭)もそうです。フロントの担当者と現場の指導者との連携の賜物です。三軍制のもと、十分な出場機会を与えることができたことも大きかったでしょう。愛知出身の千賀は、蒲郡高で投手と遊撃手をやっていました。地元の中日でさえリストアップしていなかった選手です。スカウトの報告では、本格的に投手をやらせれば球が速くなる可能性があり、進学先は確保できているが、特待生ではなく、プロで力を試したいとのことで育成4位で指名しました。三軍制がなければ獲得することはなかったでしょう。武田(翔太)は11年のドラフト1位ですが、スタートは三軍。韓国遠征にも連れて行きました」