<第1回>柏原明日架は“台風の目”になる
プロは皆、もっとうまくなりたい、もっと強くなりたいとさまざまな努力をしています。それはいいことなのですが、スキルアップばかりに意識が集中してしまうと、「気持ちよくスイングしてボールを飛ばす」という基本的なところが希薄になってしまう恐れがあります。
柏原がアマで出場していた時はプレーに思い切りの良さがありました。フェアウエーを自信を持って堂々と歩いていたのが印象的です。やはりプロになって挑戦者の立場から、賞金を稼がなければいけない、予選を通らなければいけないという義務感を背負ったのも大胆さを欠く原因かな、と感じます。
ワールドレディスで会った時に、「どうしたいの」と尋ねたところ、「精度を高めたい」と答えが返ってきました。その時に、もっと自分の好きなように体を動かして、形にこだわらないほうがいいとアドバイスしました。
日本女子オープンでは初日から上位をキープして、最終日も優勝争いに加わりました。
ところが大詰めの17番パー3で1打目がグリーン左の池につかまり脱落です。その日はアイアンがずっと引っかかっていたのです。上半身と下半身のバランスが微妙にずれており、そんな微調整も勝つためには必要になってきます。