トルネード健在 野茂英雄が計る「監督」就任のタイミング
日本のプロ野球では広島とオリックスで、キャンプの臨時コーチを務めたし、昨年1月には長男の貴裕氏が、日本ハムの通訳に就任。「今年いっぱいで契約が切れる栗山監督の後釜に野茂を据える布石じゃないか?」とささやくネット裏スズメもいる。
しかし、いずれも実現には至っていないのが実情だ。
「メジャーに関して言えば、マイナーの指導者として下積み経験のあるたたき上げが圧倒的に有利です。監督を決める際のGMとの面談でも、そのチームにマッチした自分の明確なビジョンを説明しなければなりませんからね。プレーヤーと指導者はまったくの別物という考え方が徹底していますし、野茂にとってハードルはかなり高い」とは在米ジャーナリストのイチロー桜木氏。
■長男は日本ハム球団に就職
本人がその気でも難しく、「候補止まり」というのだが、それなら日本のプロ野球界はどうか。
過去に日本球界と野茂の間に、しこりがあったのは否めない。
94年、近鉄を退団してメジャー挑戦する際、プロ野球界は野茂を“国賊扱い”。もう、戻さないと言わんばかりの「任意引退選手」にしておきながら、ドジャースで活躍すると手のひらを返してヨイショ。そんな日本球界に対して野茂がアレルギーをもたない方が不自然だし、日本球界にもかつて犯罪者呼ばわりした負い目のようなものがあった。