米女子GKが辞退検討 「ジカ熱」大流行でリオ五輪中止危機
「私たちがいつ子供を授かるかわからない。でも、子供へのリスクは避けたい。きょう(リオ五輪に出るかどうか)決断しろと言われたら、行かない」
9日付の米スポーツ専門誌でこう言ったのが、サッカー女子米国代表GKのホープ・ソロ(34)だ。
今年8月にリオ五輪が行われるブラジルを中心に、南米で爆発的に感染が流行している「ジカ熱」。ヤブ蚊の一種がウイルスを媒介する感染症で、一般的には風邪と似たような症状が出るとされ、発症しても気付かない者すらいるそうだが、その一方で、感染した妊婦が小頭症の子供を産んだという報告が相次いでいる。12年に結婚したソロが難色を示すのも無理はなく、今後は世界中でソロ同様、女子選手のボイコット騒動にも発展しかねない状況だ。
■専門家が警鐘
さらに「妊婦でなければ大丈夫」とも言い切れない。東京医科歯科大名誉教授の藤田紘一郎氏(感染症学)は「考えられないことも起きるかもしれません」と、警鐘を鳴らす。
「実はジカウイルスがどのようなものか、ほとんど研究が進んでいません。というのも、妊婦に危険性があると判明したのは、去年の夏ごろ。それまでは感染しても症状も軽かったので、誰も注目していなかった。最近になってようやく、本格的な研究が始まったといってもいいのです。現段階では『危険なのは妊婦だけ』とは必ずしも言い切れません」