<第4回>佐々木監督とJFA女子委員会が“犬猿の仲”では…
実は、密接であるべき日本サッカー協会・女子委員会と佐々木監督との関係は犬猿の仲。「このところコミュニケーションがほとんど取れていなかった」(サッカー関係者)という状況だった。委員会が対戦相手の最新映像を入手して分析。現場責任者の佐々木監督に伝えることをせず、佐々木監督にしても「相手の最新情報よりもチームの共通理解を深めることを優先」と、事前チェックを怠った。
サッカー協会のバックアップも、決して万全とは言えなかった。15年カナダW杯後、主力が揃った状態でのテストマッチは、昨年11月に行ったオランダ遠征でのオランダ代表戦だけ。2月中旬に計画されていた壮行試合も組まれず、なでしこは明らかな実戦不足で五輪予選に突入した。
「サッカー協会が、最終予選の開催地を大阪に持ってきたことは評価されるが、それ以外にどんな有効なバックアップ体制を敷いたか? たとえばガラガラのスタンド問題です。試合会場は約2万人収容のキンチョウスタジアム。初戦から4分の1ほどしか埋まらず、7日の4戦目ベトナム戦は3418人。北朝鮮戦は4766人と少し盛り返したが、ホームの利を生かすためにも、サッカー協会は日本人ファンを動員し、相手にプレッシャーをかけるべきだった」(マスコミ関係者)
北朝鮮戦の後、佐々木監督は「(五輪)切符を取れなかったのは私のせい。しっかり責任をとる」とコメントした。
佐々木長期政権は終わりを告げ、北朝鮮戦で決勝弾のFW岩渕(22)は「ゼロからスタート」と言った。前途多難のリスタートだ。