元賞金女王も危惧 森田理香子「クラブを信じて」の複雑心境
「メーカーとスポンサー契約を結べば、毎年売り出される新製品を使わなくてはいけなくなる。でも、クラブは自分になじんだモデルを使い続けるほうが成績は安定する。恐る恐る振るよりも、いつも同じリズムでスイングができるクラブは信頼できるし、ミスの原因がわかりやすいからです」
要するに新しいクラブを手にすれば、ミスの原因がクラブなのか、スイングなのか、わからないからだ。だからツアー50勝で永久シードを持つ不動裕理(39)は、自分に合ったクラブを使うために用具契約を結ばなかった。協会相談役の樋口久子(70)も「数えるほどしかクラブを替えていない。10年以上、同じモデルを使い続けたこともある」とゴルフ誌の連載で明かしている。
クラブは同じ総重量、同じロフト、同じライ、同じ長さのシャフトでも一本一本振り心地は違うといわれる。ヘッドデザインひとつとっても構えた時のイメージが違ってくる。トッププロなら微妙な違いに敏感になる。
プロ転向から使い続けて賞金女王タイトルを手にしたメーカーのクラブを森田は手放したが、周囲の雑音を消すには新クラブで結果を出すしかないだろう。