ヤクルト戦で4安打 阪神・高山が今後背負う球界の“因縁”
「積極的にいこうと思った。良い形で打てた」
阪神のドラフト1位・高山俊(22=明大)は初回、高校、大学時代に活躍した神宮で、1位指名で競合したヤクルトのファンで埋まる右翼席にプロ初本塁打となる先頭打者アーチを叩きこんだ。新人とは思えない巧みなバットコントロールで、延長十二回の引き分けに終わったこの日は4安打の猛打賞。開幕から結果を残し続けているが、高山の阪神入りがいくつもの「人間ドラマ」を生んでいたことは、あまり知られていない。
昨年のドラフトでは、ヤクルトの真中監督が、高山の当たりクジと勘違いしてガッツポーズをし、大騒ぎになったことは記憶に新しい。ヤクルトは左打ちの外野手が喉から手が出るほど欲しかったから、オリックスが1位指名した吉田正尚(青学大)も候補に挙げていた。ヤクルトが高山を取りにいったことで、オリックスは吉田の単独指名に成功。その吉田は開幕から5戦連続安打の活躍を見せている。
「高山を逃したヤクルトは、外れ1位で原樹理(東洋大)を指名。実は阪神も原の指名を検討していたようです。もし、ヤクルトが高山の当たりクジを引いていたら、高山と原は正反対のユニホームを着ていたかもしれません」(セの球団関係者)