赤土王者ナダルに錦織惜敗も 「全仏につながる」と専門家
男子テニスのバルセロナ・オープンは24日、シングルス決勝が行われ、世界ランキング6位で第2シードの錦織圭(26)は、同5位で第1シードのラファエル・ナダル(スペイン)に4-6、5-7で敗れ、3連覇を逃した。
錦織は「赤土の王者」の異名を持ち、クレーコートを得意とする相手に積極的に攻めたが、逆に数少ないチャンスを生かされ、ストレート負けを喫した。
テニスジャーナリストの塚越亘氏が言う。
「いい試合で錦織は序盤から攻めたが、これぞナダルという堅守と粘りに屈した。とはいえ、昨年までこの大会で2連覇して、今年は準優勝です。14年はバルセロナに勝って、続くマドリード・マスターズも、当時第10シードで決勝に進み、第1シードのナダルから第1セットを取りながら腰の負傷で途中で棄権。準優勝でした。赤土コートのクレーの試合は、ハードコートより球足が遅くなりラリーが続く。技術はもちろんですが、豊富なスタミナが求められる。テニス界では、欧米選手より体が小さい日本人がクレーで勝てるとは誰も思っていなかった。178センチ・75キロの錦織がバルセロナ・オープンに勝つということは、欧米の柔道家が、“聖地”の講道館で行われる大会に出てきて、日本選手から一本とって優勝するようなものです。クレーの本場・スペインではそれぐらい衝撃的なことなのです」