「自分から仕掛けるべき」 マラソン福士に“逃げ”のススメ
「世界陸上や五輪にはペースメーカーはいません。レースは変化に富む。ライバルとの実力が僅差、または、少し自分が劣っているような場合は自らレースを組み立てて勝負することになる。自分のレースに相手を引き込むのです」
レースの主導権を握るには、それ相応の持ちタイムが必要だ。上記3大会の優勝者は、いずれも2時間20分を切る時計があった。
福士の脚質は「追い込み」や「差し」ではなく「逃げ」「先行」だ。スピードのあるアフリカ勢と終盤に競り合うのは分が悪い。前出の菅原氏が言う。
「だから自分から仕掛けるべきです。シドニー金の高橋は35キロ手前から飛び出し、アテネ金の野口は25キロからロングスパートをかけた。この2人より福士は力は劣るものの、おそらくアフリカ勢がまだ牽制し合っている20~30キロぐらいに飛び出した方がメダルのチャンスはあると思う」
大逃げにかけてみてはどうか。