泣きながら30kg増…ベイカー茉秋を別人に変えた恩師語る
米国人の父と日本人の母の間に生まれたベイカー茉秋(21)。中学時代は東京都大会2位が最高。全国的に無名のハーフ選手を育てた、というより、別人に変身させた東海大浦安高時代の恩師・竹内徹監督(56)はこう振り返る。
「入学時は細くてちょうど60キロ。でもパワーがあった。最初に『体重が増えて体が大きくなれば強くなるタイプだよ』と本人に言いました。まずは注目される団体戦のエースにするための増量計画が始まりました」
1日7食と本格的にウエートトレーニングに取り組んだものの、思うように体重は増えなかった。竹内監督が続ける。
「最初は『いくら食べても大きくならない』と泣いていました。それでも1年生の後半には70キロになって、自発的に食べるようになった。乱取り中におにぎりを食べたりしていました。この頃は120キロの相手を投げられるようになっていて、狙い通りパワーがついてきた。『よし、80キロにしてみようか』と。ベイカーは2年生で寮に入ったのですが、私は寮監で家族で住んでおり、妻がベイカーのために特別におかずだけを作っていました。肉料理だったり、卵料理だったり、麺類が好きだったのでパスタだったり。これを寮の食事と一緒に食べるんです。それは凄い量ですよ」