悪天候に強行日程…錦織圭を待ち受ける“試合以前”の難敵
例えば大会初日、錦織圭(26)の1回戦だ。第2セットの途中で2時間半以上、降雨中断。試合はようやく再開されたものの、第3セットの途中で再び中断し、結局、中止順延になった。
選手のコンディションなどお構いなし。そこには強引にでも1回戦を消化してしまいたいという主催者の強い意図が感じられた。
翌日は強い風が吹いていた。テニスの全仏オープンが行われているパリは今週1週間、こんな雨風が続くらしい。
悪天候に加えて、会場のローランギャロスは改修工事の真っ最中。その影響で、使えるはずのコートが2面使えない。かといって日程を動かすわけにはいかない。そんな事情があって、主催者側は選手に強行日程を強いているのだ。
錦織は以前とは比べものにならないくらい、体を鍛えている。それでも世界のトッププレーヤーたちと比べれば、まだまだ体力や、体の強さは劣る。昨シーズンは右肩や左脇腹を痛めたし、下半身も故障しがち。ケガのリスクを抱えながらの戦いが続いている。
強行日程を強いられるのはどの選手も一緒。しかし、どちらかといえば脆弱な錦織は、トップクラスの選手たち以上にダメージを受ける可能性がある。相手と戦う以前に難敵が待ち受けている――。