獲得賞金では拮抗も 錦織と松山に「収入格差」が出る理由
今月8日、毎年恒例となった米誌「フォーブス」のスポーツ選手の長者番付が発表された。同番付によると、トップはサッカーのクリスティアーノ・ロナウド(31)で8800万ドル(約94億円)、テニスの錦織圭(26)が3350万ドル(約35億8000万円)で前年の92位(1950万ドル=当時約23億円)から急浮上、日本勢最高の29位に入った。
上位選手に共通するのは、本業以外の莫大なスポンサー収入だ。C・ロナウドはピッチ以外の収入が全収入の約3分の1の3200万ドル(約34億2000万円)、錦織は3000万ドル(約32億円)と約9割を占める。4位のR・フェデラー(34)は獲得賞金780万ドル(約8億3300万円)ながら、本業以外は6000万ドル(64億8000万円)とコート外で稼ぎまくっている。上位10選手のうち、半分以上の6人がスポンサー収入の方が多い。なぜ、スポーツ選手は本業以外でこれほど稼げるようになったのか。
マーケティングコンサルタントの新井庸志氏がこう言う。
「スポーツ選手を起用するにあたっては認知度や好感度の高さ、企業イメージに合うか、あるいはリスクなどさまざまな要素があります。錦織選手は大会の合間を縫って帰国し、イベントに参加するなど、企業との向き合い方、使い勝手の良さもそのひとつ。さわやかなイメージも大きい。ネガティブな要素がひとつでもあれば使いづらいものです。スポーツ選手はタレントなどと比べて、はやりすたりがなく、不安要素は少ない。特に海外で活躍している選手は世界で戦う企業にとってはグローバル戦略とも合致するうえ、メディアの露出も期待できます」