40年ぶりDH放棄 ハム大谷“メジャーで二刀流”に風穴あいた
30日(日本時間1日)、メジャーリーグで40年ぶりとなる「事件」が起きた。
主役はジャイアンツの左腕、マディソン・バムガーナー(26)。アスレチックス主催の交流戦であえてDHをつぶし、「9番・投手」で出場したのだ。DH制のア・リーグでこれを放棄したのは、76年のホワイトソックス以来になる。
バムガーナーは強打の投手として知られる。DHのないナ・リーグでは今季16試合で2本塁打、5打点。ドジャースのエース左腕、カーショウからも一発を放っている。通算13本塁打、45打点。シルバースラッガー賞を2年連続で獲得し、投げては14年にワールドシリーズMVPに輝いた。この日も三回に逆転の口火を切る二塁打を打ち、4打数1安打。投手としては七回途中4失点で、9勝目(4敗)を挙げた。
これは日本ハムの大谷翔平(21)にとって朗報だろう。先発する試合はここまで5戦連続投打同時出場。打者としても中軸を担っているが、メジャーは日本と事情が異なる。
ベンチ入りは25人。日本の28人より少なく、選手おのおのの仕事量はプロ野球の比ではない。選手枠の争いも激しい。1人で2人分の仕事をすることは、日本以上に他の選手の出場機会を奪っていると見なされるからだ。
それが交流戦限定とはいえ、バムガーナーが風穴をあけたのだ。まして大谷は二刀流でどちらも結果を出しているのだから、メジャースカウトの見る目も変わってくるだろう。海の向こうでも「夢」を追えるかもしれない。