新興国の台頭で金遠く 日本柔道によぎる“ロンドンの悪夢”

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■相手に研究されていた

 前回のロンドン五輪に続いて現地で取材するノンフィクションライターの柳川悠二氏がこう言う。

「ロンドンでは例えば、男子60キロ級で銅メダルを獲得した平岡の表彰式を見ずに、当時の篠原監督と吉村強化委員長が憤然とした表情で宿舎に引き揚げてしまうなど、代表チームの雰囲気は最悪でした。それに比べれば、男子の井上康生監督、女子の南条充寿監督も銅メダルの選手の健闘を称えるなど、指導体制には変化が見られます。合宿でも選手の意見、意向をくみ取り、チームの雰囲気自体は悪くない。とはいえ、この日までの男女4選手が敗れた相手はいずれも、全柔連がマークしていた選手です。それだけに、ショックはあります。研究しながら勝負どころでポイントを奪えず、逆に相手にそれ以上の研究をされていた印象。今後も楽観視できないのは確かです。3日目の73キロ級の大野、57キロ級の松本は全柔連が最も金メダル確実と考えている階級。この2人が優勝を逃すようだと、ロンドンの悪夢がイヤでも蘇ります」

 ここまでの男女2階級のうち、女子48キロ級のパレト(アルゼンチン)、52キロ級のケルメンディは柔道で母国初の金メダル。男子66キロ級を制したバシレもイタリア柔道界としては4人目の優勝者だ。日本が復活へ向けてもがいている中、柔道新興国も着実に力をつけている。

 2日目を終えて日本は銅メダル4つ。最新世界ランキングで1位がひとりもいない日本勢の金メダルラッシュはまったく見えてこない。

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