女子柔道78kg級梅木真美 消極姿勢と過緊張で初戦敗退
被災者にメダルを届けることはできなかった。
リオ五輪女子柔道78キロ級の梅木真美(21)が初戦(2回戦)敗退。ほとんど何もできないまま優勢で敗れ、初の大舞台はわずか4分間で幕を閉じた。試合後、道着で涙をぬぐうと「自分の実力不足です」と絞り出すのがやっとだった。
梅木は熊本地震で震度5強を観測した大分県九重町出身。中学は柔道の強豪である熊本の小国中、高校は阿蘇中央高へ進学した。地震で初詣に訪れていた阿蘇神社が倒壊。6月に開かれた地元の壮行会では「被災者の方々のために、金メダルを取れるように頑張りたい」と語っていた。
実家は豊後牛の飼育や稲作で生計を立てる農家。幼少期から農作業の手伝いで自然と下半身が鍛えられたという。運動神経の良さは母親譲り。実業団でバレーボール選手として活躍した母はアスリート目線で娘の食生活や精神面を支えた。マイペースな性格を矯正することなく育てたというが、それが柔道のスタイルにも表れ、周囲からは「優しいから勝てない」と言われていたという。この日も序盤に「消極姿勢」で2度の指導を受けた。