U-18アジア選手権ではっきり 野球が五輪に向かない理由
「中国国内にプロ球団もありますが、08年北京五輪後に野球が正式種目から外れたこともあり、国も企業もうまみがないと判断。野球にカネも人材も投入してないことが発展しない要因です。タイ、インドネシアなどの東南アジアでも野球は頭打ち。日本人スタッフが現地で指導し、日本の用具メーカーが道具を提供するなどいろいろと手を打ってはいるものの、少年期から大人になるまで野球が続けられる組織も設備もない。日本人が積極的に野球振興に関わっているタイですら、来春WBCの予選に出場できない。国家プロジェクトとして動かないことには野球は普及、発展しようがない」(スポーツ紙記者)
環境が向上しないのなら、選手が育つはずもない。
■東京五輪は参加6チーム
「特に、投手の育成が簡単にはいかないと思う」
とは、米ブレーブス国際担当スカウトの大屋博行氏。
「投手が速い球を投げるには、1年、2年練習しただけでは難しい。少年期から肩、肘の耐久性を高め、効率の良い投げ方を掴む必要がある。それには緊張感を持って勝負できる実戦の機会が必要不可欠。日本、韓国などのように子供の野球人口が多い国ではまだしも、他の国々はそういう機会がない。変化球を身につけようにも、映像で見ることはできても、実際に生身の人間から教わったり、体感することができない。まずは投手が育たないことには、野球レベルは上がっていかないのです」