<上>競歩のレベルを上げるためにマラソンの力を借りた
――マラソン流のトレーニングとは、どんなものですか。
「起伏のある場所で走り込んだり、練習での歩行距離を延ばした。サロマ湖100キロマラソンで100キロ競歩に挑戦させ、1カ月に1200キロになることもあったようだ。鈴木さんは山崎勇喜に厳しいトレーニングを課し、北京五輪で7位(入賞)の結果を出した。あれが男女を通じて競歩の日本勢としては初の五輪入賞でした。山崎の後には、森岡紘一朗(富士通)が11年世界選手権50キロ5位。東洋大の松永大介は14年世界ジュニア10キロ優勝。昨年は20キロで鈴木雄介(富士通)が世界新記録を樹立し、世界選手権50キロで谷井孝行(自衛隊)が3位で日本初のメダルを獲得。荒井(自衛隊)も4位に入った。ちなみに、全日本能美大会で出した鈴木の世界新は懐疑的だな。厳しいようだが、あそこは記録が出るコースなので、世界大会では何の役にも立たない」