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澤木啓祐元陸連強化委員長

1943年、大阪府出身。順天堂大学4年時に箱根駅伝2区で区間賞、初優勝に貢献。65、67年ユニバーシアード5000メートル優勝。67年同1万メートル優勝。メキシコ、ミュンヘン五輪5000メートル、1万メートル代表。1500メートル、5000メートル、1万メートル、20キロなど7種目の日本記録を樹立する。74年から母校・順大で指揮を執り、箱根駅伝では4連覇を含む9度の総合優勝を果たす。元日本陸上競技連盟強化委員長、専務理事、副会長を歴任。現順大大学院スポーツ健康科学研究科特任教授、日本盲人マラソン協会理事長、医学博士。

<上>競歩のレベルを上げるためにマラソンの力を借りた

公開日: 更新日:

――今村さんは現役時代、91年の世界陸上東京大会50キロで7位、97年(アテネ大会)にも6位になっていますね。

「今村は日本オリンピック委員会(JOC)の海外研修制度で、05年にイタリアのサンドロ・ダミラノ氏の下でコーチ研修を受けた。行く前には私のところ(順大)の大学院生として2年間、アスリートの血液についてなど、スポーツ医科学を学んでもらった。サンドロには双子の弟がいて、その一人マウリツイオは、モスクワ五輪20キロで金メダル、84年ロス、88年ソウルで銅、91年世界陸上東京大会で金メダルを取っている。今村がサンドロのところにいる間に、谷井孝行、森岡紘一朗、鈴木雄介らが、イタリアに合宿に行き、技術のレベルを上げたのです」

――それが第1弾とすれば、第2弾は何をやったのですか。

「競歩は歩型が重要だが、それまでの選手は筋力や持久力が不足していた。そこで、93年世界陸上女子マラソンで金を取った浅利純子や92年バルセロナ五輪代表選考会で優勝した小鴨由水を育てたダイハツの鈴木従道監督の力を借りた。彼が定年になったので、競歩のトレーニングコーチとして呼んだのです。私と鈴木さんとはメキシコ五輪に出場した仲でね。ひと肌脱いでくれとお願いしたわけです。そして競歩の指導者に、マラソンの練習に比べて、競歩の練習がいかに質と量が劣っているかを実感してもらい、マラソン流のトレーニングを広めたのです」

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