長距離なのに審判10人程度 「競歩」は違反をどう見つける?
富士通の鈴木雄介(27)が3月の陸上全日本競歩能美大会の20キロ競歩で、1時間16分36秒の世界新記録を樹立。一躍、競歩がクローズアップされた。
競歩はマラソンとは違い、厳格なルールがある。(1)「両足が同時に地面から離れることなく歩くこと」。(2)「前足は接地の瞬間から垂直の位置になるまで、真っすぐに伸びていなければならない」。(1)を違反すると「ロス・オブ・コンタクト」、(2)を違反すると「ペント・ニー」となり警告の赤カードが出される。3枚に達した時点で失格となる。
これをジャッジするのが審判員。日本陸連が主催する大会では、主任を含めて6~9人。この中には3人の国際競歩審判員が含まれている。ジャッジはすべて目視で行われ、ビデオ判定は導入されていない。
■マラソンより少ない参加人数
ここで疑問も浮かんでくる。たとえば鈴木が出場した大会は20キロ。
そんなに長い距離の違反を少数の審判ですべて把握できるのかということ。日本陸連に尋ねたら、こんな答えが返ってきた。