ダル7勝目 150km後半連発に“新妻”ルクロイのアドバイス
すでにア・リーグ地区優勝を決めたレンジャーズ・ダルビッシュ有(30)がポストシーズンを前に復調気配である。
9月30日(日本時間10月1日)、アーリントンでのレイズ戦に先発し、6回3安打1失点で今季自己最多、毎回の12三振を奪う快投。レギュラーシーズン最後の登板で、今季7勝目(5敗)を挙げた。
前回(日本時間9月25日)のアスレチックス戦も7回を2安打無失点、9奪三振と好投。9月に一度、登板を回避し、肩、肘の故障がささやかれたが、150キロ超の直球とキレのある変化球でアスレチックス打線をねじ伏せ、不安を払拭している。
ダルは8月以降、球威が増しており、直球の最速は150キロ台後半をマーク。昨年3月にトミー・ジョン(肘の腱の再建)手術後のリハビリで下半身や体幹を強化した成果とみられるが、それだけが理由ではない。
今年7月末にブルワーズからトレードで加入したジョナサン・ルクロイ捕手(30)の存在が大きいという。ブルワーズ時代から投手の長所を引き出すのに定評があったルクロイはレンジャーズ移籍早々に各投手の特徴を分析。ダルが手術明けで変化球に頼り過ぎているとみたルクロイは「多彩な変化球を生かすためにも、もっと直球を用いるべきだ」とアドバイスした。要所で直球主体の配球でダルをリードした結果、ダルの投球に緩急が付き、奪三振数が増加。後半戦からここまでで101個に達し、球宴以降ではア・リーグ2位の奪三振率(30.8%)を記録している。
これまで、捕手と相性が悪くマウンド上で揉めたこともあったダル。新妻とのバッテリーでチームを5年ぶりのワールドシリーズに導けるか。