移籍を決断か FAオリ糸井争奪戦“巨神一騎打ち”の行く末
糸井は左ヒザに古傷を抱えている。昨季、09年に日本ハムでレギュラー定着してから自己ワーストとなる打率.262、17本塁打、68打点という成績に終わったのも、その古傷が原因だった。ヒザのことを考えれば、天然芝の甲子園球場を本拠地とする阪神に大きなアドバンテージが生まれ、実際、本人も東京ドームでのプレーに不安を抱いている、という情報もある。オリックスのチーム関係者からは、「高橋由伸監督の采配もネックになるんじゃないか」とこんな声も出ている。
「糸井は走攻守の中でも特に足に関してこだわりを持っていて、今季の史上最年長記録での盗塁王獲得を心底喜んでいた。しかし、高橋監督になった巨人はチーム盗塁数が昨季の99から62に激減。快足を武器にしていた鈴木尚広も使い切れなかった。とにかく動かない、という印象の強い高橋監督の下で、果たして糸井が自分を生かしてもらえるか、自分が生きるかというのも大きな判断材料になる気がします。阪神はリーグ最少の59盗塁ですが、金本監督の方が積極的な印象はありますからね」
FA権の行使は、日本シリーズ終了日から土、日曜日と祝日を除く7日以内に在籍球団に意思表明をする必要があり、「FA宣言選手」として公示された翌日から交渉が可能になる。阪神糸井の誕生は案外、早いかもしれない。