直前に佐々木を回避…阪神ドラ1で大山獲得の“真相と今後”
それにしても、金本監督がそこまで大山にゾッコンなのはなぜか。在京球団の関係者はこう解説する。
「昨年、オリックスが1位指名した青学大の吉田正尚は、大学日本代表の4番を打ち、今季は63試合で10本塁打をマーク。大山は中央球界では無名でも、日米大学野球の全5試合で4番を務めた。しかも右打者で内野の守りもいい。巨人が外れ1位で指名した吉川尚輝(中京学院大=内野手)や中日が2位で指名した日大の京田陽太(内野手)よりパワーがあり、本塁打が打てる。昨年1位で取った高山もそうだが、金本監督はホームランが打てる打者を欲しがっていた。とはいえ、03年の鳥谷(自由枠)以来の1位指名ですから思い切ったものです」
金本監督は大山のサプライズ指名について、「(1位指名は)基本的には投手だったが、チーム事情から野手で行こうということに(急きょ)なった」と説明。前出の関係者は、その胸の内をこう読んだ。
「金本監督は、投手は若手と助っ人で何とかなると言った。1メートル81センチ・85キロでスラッガータイプの大山を1位で確実にものにしたのは、打者なら自分が指導できるからでしょう。鳥谷の衰えは顕著だし、阪神にとっては長年の課題だった右の大砲を自分の手で育てたいはずです。高山、大山の生え抜きによる中軸をイメージしていると思う」
今季の阪神は、得点(506)と本塁打数(90)はいずれもリーグ5位。強力投手陣より、猛虎打線復活を願う指揮官の夢はかなうか。