バド松友も生涯契約 アスリート争奪戦激化の先の落とし穴
東京五輪は、海外で開催されるオリンピックとは注目度が違う。出場に向けての選考会で着用するユニホームには企業のロゴが刻まれ、出場が決まればCMや広告に登場させることでイメージアップや知名度向上に役立つ。サーフィン、スケートボード、スポーツクライミングなど、東京五輪で追加された新種目の選手にもスポンサーがつく可能性もある。あらゆる企業が4年後を見据え、今後はさらに有力選手の青田買いが激化することになるだろう。
選手側にとってはうれしい流れだが、ある競技団体の関係者は渋い顔でこう語る。
「選手個人が用具メーカーやスポンサーと契約すると、契約先の希望もある程度は聞かなければならない。企業が催すイベントやパーティーなどに出てくれとかね。中には、そういうことが苦手な選手もいるから精神的な負担になる。長時間拘束されたり、企業サイドの日程に合わせたりして練習の妨げになっている選手もいると聞く。特に、若い選手はスポンサーがつくとカン違いしやすい。あの錦織だって、毎年オフは契約先のイベントをハシゴしていて、ほとんど休みがないと言われている。アマチュアでも大金が稼げる時代ですが、いいことずくめではありませんよ」
黙ってカネだけ出してくれる企業などない。