「ジャマしないこと」 早実・和泉監督が清宮の育成法語る
「僕自身、センバツは4回目。秋の東京を制して迎えるのは06年に斎藤佑樹がいたとき以来。ハッキリした目標がひと冬を越した先にあるということで、生徒の気持ちの部分でいつもと違う冬を過ごせたと思っています」
4年ぶりのセンバツ出場が決まった早実の和泉実監督(55)がこう言った。出場決定に至るまでのこと、主将・清宮幸太郎(2年)のことなどを聞いた。
――昨秋の東京大会の決勝戦は、3番清宮が5三振も、4番野村のサヨナラ本塁打で優勝を手繰り寄せました。
「清宮のキャリアの中で、あんなに三振することはなかったと思うし、彼が入学してからあれだけ機能しない試合はなかった。きつい展開でしたが、機能しなかった主将が下を向くのではなく、ベンチに戻ってきても中心になって声をかけた。周りも主将が機能しないから負けるわけにはいかないという覚悟が出てきたとも感じた。2点ビハインドの九回裏に、先頭の9番野田(1年)がレフト前にすばらしい安打を打った。これはなかなかできないこと。そして野田を起点に後ろがどんどんつながった。新チームになって全員野球で戦うべく、主将中心に『GO! GO! GO!』というスローガンを掲げた。強気に攻めること、気持ちが揺るがないこと、勢いをつけることが一番大切で、そうした姿勢が秋はいい方向に出たと思う」