「選考方式より強化策が大事」 日本マラソン界に疑問の声
■選手強化は「決まっていない」
陸上ジャーナリストの菅原勲氏は「選考会が完全一本化にならなかったのは残念だが、異なる条件のレース成績を比較していたこれまでの選考方法より基準も明確で、はるかにいい。今の時期に公表したのもマラソンで代表を目指す選手にとってはよかった」と評価する一方で、肝心要の選手強化について具体的な話がなかったことには首をかしげた。
会見で瀬古リーダーは、強化方法について記者から質問されると「ちゃんとしたものはまだ決まっていない」と答え、河野匡長距離・マラソンディレクター(56)も、「2018年6月から8月が思い切った強化ができる時期。泥臭い、きつい練習を瀬古リーダーが考えてくれるだろう」とのんきなコメントだ。
「代表選びより大事なことは、具体的な選手強化策です。ナショナルチームを結成するのかしないのか、暑さに耐えるトレーニングはどうするのか、強化を主導するのは誰なのか、最後まで所属チームの監督に任せるのかなど、どれも代表を目指す選手はもちろん、我々も知りたいことです。五輪の代表選考は毎回、揉めてきた。東京五輪の代表選考は、これまで以上に注目される。批判されないように選考方法はかなり研究したことがうかがえますが、一刻も早く実施しなければならないのは選手強化です。今もって曖昧というのはどういうことなのか」と、前出の菅原氏は呆れ顔だ。