ヤクルトは移籍選手の“再生工場” 選手とコーチが秘訣証言
「これまで先発の経験が多かったが、自分自身、どのポジションがベストなのかわからない状態だった。中継ぎは難しいだろうなと思っていた。(右ひじを複数回手術し)決して健康とはいえないし、毎日投げられる立場ではなかったですが、ブルペンでは投げない日を設けるなど配慮してもらいながら、肩のつくり方もメリハリができていると思います」
首脳陣は新たな角度から個々の特性や存在意義を見いだし、選手はそれをモチベーションとしているようなのだ。
自身も現役時代にヤクルトから日本ハムへの移籍経験がある三木ヘッドコーチが言う。
「たとえば大松はロッテで4番を打った実績があり、ベンチにいても存在感があります。声のかけ方やゲームへの入り方、練習の姿勢は若い選手たちにとって参考になるはず。誰しも移籍することで期待と不安がありますが、前のチームで教わったことを生かしつつ、力を発揮してくれていると感じています。選手としては、中心選手としてひとつのポジションを極めることが大事ですが、一方でそれがかなわず移籍することになっても、新たな発見があり勉強になるはず。僕自身も彼らからいろんな話を聞けて勉強になる。そういう姿勢で接しています」