“舌禍騒動”で話題に…元近鉄投手・加藤哲郎さんの大転身
■真相は「記者に面白おかしく脚色された」
さて、宮崎日大高から近鉄にドラフト1位指名されて83年に入団した加藤さんは、3年目から中継ぎとして定着。89年は先発、中継ぎとフル回転し、7勝してリーグ優勝に貢献した。
問題の発言は、89年の巨人との日本シリーズ第3戦。先発した加藤さんは6回3分の1を投げて無失点の勝ち投手に。チームは3連勝し、念願の日本一は目の前だった。だがその直後のインタビューで「巨人はロッテより弱い」と答えたとして、翌日から大騒ぎとなった。
というのも、ロッテはその年のパ・リーグ最下位。巨人選手はもちろん、ファンも激怒し、マスコミの論調も巨人びいき一色。東京ドームでの4戦目は怒号の嵐となった。
「ホンマは、あんなこと言うてない。ある記者に『巨人はパと比べてどう? 例えばロッテと比べて』と聞かれ、『巨人はピッチャーがええなあ。でも打線はあかん。ホームラン打たへんし』と答えたのが『ロッテより弱い』に、面白おかしく脚色されたんですよ」
だが萎縮した近鉄ナインは大逆風になすすべなく、4連敗。プロ野球史に残る大逆転負けを喫してしまった。