楽天高卒ルーキー藤平 初登板で見せた“マー君2世”の片鱗
高卒新人最速デビューは黒星スタートとなった。
16日、楽天の藤平尚真(18=横浜高)がプロ初登板。5回5安打2失点で降板し、初勝利はお預けとなった。
四回に前の打席で2ランを打たれた原口文仁(25)に対して死球を当てると、連続四死球などでピンチを招く場面も。高卒1年目に23試合に登板し、4勝4敗1セーブの成績を残した沢村賞投手の川崎憲次郎氏は、「原口の死球から腕が振れなくなった。逃げ腰になって置きにいかず、真っすぐで押す強気のピッチングをしてほしい」と指摘。その一方で、「ストレートは良かった。リリースポイントも打者に近く、ボールも指先にかかっていた」と話した。
一軍昇格前、ファームで11試合に登板。27四球と制球に苦しんだが、小山二軍投手コーチは大器の片鱗を感じているという。
「藤平は毎回、自分の中でテーマをつくって試合に臨んでいる。例えば『今日はスライダーの握りを変えてみよう』『今日はシンカーの握りを変えてみよう』とか。こちらから指示を出さなくても、自分で考えながらいろいろ試し、今は失敗と成功を繰り返している段階。そうやって自分で研究しながら模索するところは田中将大と一緒。野球アタマはすごく良くて、高卒とは思えない。自分なりに考えながら取り組んでいるので、コーチとしては楽だし面白い。失敗が多くても、1年間は見守っていこうと思っています。今シーズン結果が出なかったら厳しく言いますよ(笑い)」
試合後の「(初回が)終わってからは楽しく投げられた。阪神ファンの応援がすごくて、それを自分の応援だと思って投げた」という言葉からも、新人離れした雰囲気を感じさせる。チームのエースになる日も近い。