覇気なく初日黒星…休みたくても休めない稀勢の里の憂鬱
満員御礼の館内が、何度もため息に包まれた。
9日に初日を迎えた大相撲7月場所。横綱稀勢の里(31)と新大関高安(27)を含む2横綱3大関が枕を並べて討ち死にという、波乱の幕開けとなった。
しかし、相撲協会はウハウハだ。なにせ、近年の協会には、黙っていてもカネがウジャウジャと入ってきている。本場所は常に満員御礼、7月場所も千秋楽まで当日券以外はすべて完売している。昨年は全90日の本場所で、満員御礼が出なかったのは福岡で行われた11月場所の2日間だけ。「不人気場所」と呼ばれていた九州場所でさえこれなのだ。
懸賞の本数も、場所ごとに増えている。3月の大阪場所では1707本と、地方場所の過去最多記録を更新。すると今回の名古屋場所は1750本と、アッサリ記録を塗り替えてしまった。
近年は減少傾向にあった巡業も、昨年は75日間。巡業が70日を超えるのは若貴ブームに沸いた1994年以来、23年ぶりである。今年は春巡業が20日間、7月場所後の夏巡業も21日間が予定されている。さらに秋巡業と冬巡業もあり、最終的には去年と同じ程度の日数が予想されている。