医師は完治明言も 初白星の稀勢の里に「相撲勘鈍い」の声
■「今場所の見通しが暗くなった」
しかし、解説者の舞の海は「初日の相撲を見る限り、ケガが治ってアレでは悪い時の稀勢の里に戻ったのでは……」と、懸念。冒頭の中澤氏も「今日は相手の調子に合わせて相撲を取っただけです」と、こう続ける。
「要した時間は16秒ほどでしょうか。左が使えるのなら、仕留めるのにそう時間がかかる相手ではない。仮に完治が本当でも、相撲勘が鈍っているのは間違いないでしょう。そもそも、どこまで真剣に稽古を積んできたのか、私は疑問です。4横綱の土俵入りを見る限り、体に張りがなく、だぶついているのは稀勢の里だけですからね。スポーツ紙は『高安と何番取った』などと書いていましたが、高安だって賢い力士です。稽古で兄弟子の自信を粉砕するような相撲なんて取りませんよ。昨日今日の相撲内容では、『もう大丈夫だ』と言えるものは何もない。むしろ余計に見通しが暗くなった」
支度部屋では、「ああいう展開でも、しっかりやれた」と満足げに振り返った稀勢の里。裏を返せば、左を使えない以上はひたすら耐えて相手の隙を突くしかない。ただでさえ、受けに回るとモロい横綱だ。この日は突き押し一辺倒の若い相手に恵まれたに過ぎない。
左腕のケガが完治したというなら、むしろ不安が募る相撲内容。「7月場所出場は間違いだった」と言われる展開にならなければいいが。