ライバル抑え銀 萩野復活の裏に競泳版トミー・ジョン手術
水泳の世界選手権は27日(日本時間28日未明)、男子200メートル個人メドレー決勝を行い、萩野公介(22)が1分56秒01で銀メダルを獲得した。2013年バルセロナ大会以来2大会ぶりの表彰台である。
萩野は背泳ぎで大きくリードを奪いながら、優勝したケイリシュに平泳ぎで追い付かれる。最後の自由形で最後まで競り合って2位でゴールした。
同学年の瀬戸大也(23)との勝負は制したが、萩野は「(金メダルを逃したのは)力不足です。悔しいです」と話した。
リオ五輪では400メートル個人メドレー金のほか、リレーも含めて3個のメダルを獲得したが、コンディションは決して万全でなかった。15年7月のフランス合宿中の移動の際、自転車で転倒し右肘を骨折。術後のリハビリが万全でなかったからか、肘は満足に曲がらないまま、五輪に強行出場した。
■故障前よりスピード上昇
日本競泳界のエースとして20年東京五輪でのメダル量産が期待されるだけに、リオ後に患部の再手術に踏み切った。当然、術後しばらくは泳ぎ込みができないため、この年は秋、冬のレースは欠場し、リハビリに専念。その間、患部のリハビリのほか、陸上トレーニングを取り入れて走り込みを行ったり、徹底した体幹強化にも励んだ。水中トレを許可されてからは、腕の動きを改良するなど、フォームを一から見直した結果、肘の可動域が広がって泳ぎが安定し、故障前よりもスピードが増したという。